浅間山麓と東信の蝶
鳩山邦夫・小川原辰雄著
東信の蝶今昔 小川原辰雄
長野県は中部地方の中央高地に展開する南北に長い大県である。…………
この秀麗な山河に恵まれた東信地方の蝶相は豊富である。その記録もまた少なくない。特に山岳地帯にはミヤマモンキチョウ、ミヤマシロチョウ、ベニヒカゲ3種の高山蝶が生息している。その山麓や佐久、小諸、上田に至る広大なエリアには亜高山性、山地性、低山性まで140種類もの高山蝶が記録されている。
一方自然環境は年々変化しつつあり、その影響は判然として蝶類に及んでいる。かつては軽井沢を代表する蝶ともいわれたヒメヒカゲを始め、絶滅・減少が危惧される種も少なくない。また東御市のオオルリシジミのように地元や愛好家によって保護の対策がとられ復活した種もある。